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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科39巻7号

1985年07月発行

文献概要

薬の臨床

グラム陰性桿菌眼感染症におけるAztreonamの臨床評価

著者: 大石正夫1 永井重夫1 葉田野博2

所属機関: 1新潟大学医学部眼科 2いわき市立常磐病院眼科

ページ範囲:P.967 - P.974

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 「新しいモノバクタム系抗生剤」Aztreonam (AZT)を細菌性眼感染症に臨床応用して,有用性と安全性を検討した.
 眼瞼蜂巣炎(2),急性涙嚢炎(4),慢性涙嚢炎(6),角膜浸潤(1),角膜潰瘍(4),化膿性虹彩毛様体炎(2),眼窩感染(1)の20症例に,AZTを1回1g1日1ないし2回,または1回2g1日1回点滴静注した.著効4例,有効13例,やや有効3例の結果で,有効率85.0%であった.
 疾患別有効率は眼瞼蜂巣炎,角膜浸潤,角膜潰瘍,眼窩感染では100%,慢性涙嚢炎83.3%,急性涙嚢炎75.0%,化膿性虹彩毛様体炎50.0%であった.
 分離菌別有効率ではK.pneumoniae, H.influenzae, S.marcescens, E.cloacaeには100%,P.aeruginosa 83.3%であった.
 初診時検出されたK.pneumoniae, S.marcescens, P.aeruginosa, P.mirabilisにすぐれた抗菌力を示し,Cefmetazole (CMZ), Cefoperazone (CPZ), Latamoxef (LMOX), Ceftazidime(CAZ),およびCefsulodin (CFS)に比べてより高い感受性を示した.副作用は1例にもみられず,臨床検査値に異常を示したものはなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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