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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科39巻8号

1985年08月発行

文献概要

臨床報告

偽緑内障の検討

著者: 勝盛紀夫1 溝上国義1

所属機関: 1神戸大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.995 - P.998

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 眼圧が常に20mmHg以下で,緑内障性の視野障害,乳頭変化を有するものは通常低眼圧緑内障と呼ばれているが,その概念,定義については現在統一的見解は存在しない.今回我々は眼圧調整機構には異常を証明しえない症例群を偽緑内障として,低眼圧緑内障とは区別して検討を加えた.
 症例群には大きく二つの病型が存在した.第1型は急激な全身的循環障害の既往があり,乳頭には褪色の先行する陥凹を認める.第2型は慢性に進行する全身的,局所的循環障害が確認できる病型で,乳頭には褪色を認めた.
 このように,いわゆる低眼圧緑内障と呼ばれる症例群には,視野障害,乳頭変化が循環障害に起因する病型が存在し,これらは偽緑内障よりは,むしろ慢性に経過する虚血性視神経症と呼ぶべきであると考えられた.その鑑別点の一つは視神経乳頭で,褪色が重要な所見であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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