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臨床報告
白内障手術後に極めて悪化した単純型糖尿病性網膜症
著者: 森秀夫1 菅謙治1
所属機関: 1北野病院
ページ範囲:P.1019 - P.1022
文献購入ページに移動 白内障手術後に,単純型糖尿病性網膜症が著しく増悪した4例5眼を報告した.増悪は以下の特徴を有する.(1)増悪は術後1〜2カ月で始まることが多く,著しい網膜浮腫や大型の黄色浸出斑が後極部網膜に発生する.(2)浸出斑や浮腫の吸収は術後6〜8カ月で始まって10〜20カ月でほぼ終了し,症状は固定状態となる.(3)増悪期の症状が強かったものは殆んど視力が回復せず,0.04以下に終わる.網膜症増悪の原因としては,白内障手術後に生じる後部硝子体剥離や硝子体の前方への移動による網膜への刺激が考えられ,これにはプロスタグランディンも関与している可能性がある.
糖尿病性網膜症を有する場合の白内障手術の手術術式は,嚢外法が嚢内法に比べて優れていると考えられる.
糖尿病性網膜症を有する場合の白内障手術の手術術式は,嚢外法が嚢内法に比べて優れていると考えられる.
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