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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科39巻8号

1985年08月発行

臨床報告

人工水晶体移植術後にみられたlight-induced maculopathyの1症例

著者: 中村晶1

所属機関: 1高砂市民病院眼科

ページ範囲:P.1029 - P.1033

文献概要

 人工水晶体移植術後にみられたlight-induced maculopathyの1症例を経験した.症例は68歳,女性で術前視力は0.1であった.水晶体摘出術ならびに人工水晶体移植術の翌日に,視力は0.03に低下した.検眼鏡的には黄斑部下方に約1/2乳頭径×1乳頭径大の極めて軽度な網膜の混濁浮腫がみられ,螢光眼底造影では網膜浮腫に一致して脈絡膜からの螢光漏出による過螢光像がみられた.視野検査では中心暗点を呈した.術後1カ月には視力は0.6に改善し,螢光眼底造影ではwindow dcfectによる過螢光像がみられ,視野検査では傍中心暗点を呈した.
 本症は臨床所見に乏しく見逃されやすいが,偽水晶体眼の合併症として注意すべき疾患の一つと考えられる.診断には中心視野測定および螢光眼底造影が有用であると思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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