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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科39巻8号

1985年08月発行

文献概要

臨床報告

標準色覚検査表第2部後天異常用の検出能力—その1.正常者について

著者: 市川一夫1 中嶋潤1 宮川典子2 田辺詔子3

所属機関: 1社会保険中京病院眼科 2国立名古屋病院眼科 3名古屋第一赤十字病院眼科

ページ範囲:P.1035 - P.1038

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 6歳から79歳までの正常者227名について,SPP part 2を検査し,またさらにSPP part 2をすべて正読できた正常者5名に各種プラスレンズを負荷して視力を低下させて,SPP part 2を検討して,以下の結論を得た.
(1) SPP part 2の第3表の文字「2」は,正常者の87.2%が読めず,判定には役立たない.
(2) SPP part 2の他の19文字は,正常者の93.8%が正読できることから,19文字中1文字でも読めない時は,異常を疑うべきである.
(3)60歳以上の高齢者では,眼疾患がなくてもSPP part 2の誤読がみられるが,3文字以上誤ることはなかった.
(4)正常者の誤りの特徴は,青黄異常検出用に作られた第3表の文字「2」(正常者の87.2%が誤った)と赤緑異常検出用に作られた第12表の文字「4」(正常者の6.2%が誤った)を誤りがほとんどであることだった.
(5)近見視力0.2までは,ほとんど実験的な屈折負荷では,SPP part 2の判読に視力低下の影響は現われなかった.したがって,臨床的にSPP part 2を使用する場合かならずしも視力矯正を十分する必要がないと思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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