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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科39巻9号

1985年09月発行

文献概要

臨床報告

虹彩面上白色塊を呈した真菌性眼内炎

著者: 渡辺圭子1 山名敏子1 猪俣孟1 松田哲男2 松本忠彦2

所属機関: 1九州大学医学部眼科学教室 2九州大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.1141 - P.1144

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 術後真菌性眼内炎と考えられる1例を報告した.症例は52歳男性で緑内障手術の既往があり,虹彩面上に白色塊状物を認めた.前房穿刺液を培養して真菌が検出され,更に周辺虹彩切除術時に得られた虹彩の病理組織標本にて菌要素および菌糸が認められた.アンホテリシンBの局所投与および硝子体切除術とアンホテリシンBの硝子体内注入を行い眼内炎は消褪したが,視力は手動弁にとどまった.
 分離された真菌をPaecilomyces lilacinusと同定した.本菌株を培養し,酵母様形態を作成することに成功した.P.lilacinusは二形性真菌のひとつと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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