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光凝固で生じた網膜色素上皮裂孔
著者: 岡田寿夫1 大熊紘1 宇山昌延1
所属機関: 1関西医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.1145 - P.1149
文献購入ページに移動網膜色素上皮剥離は4乳頭径大の大きいもので,その復位を目的として,辺縁に光凝固を行った.1カ月後に網膜色素上皮剥離の耳側と鼻側の辺縁で色素上皮が離断し,残った色素上皮は収縮して中央に集まり,縦走する大きい皺襞となった.両側の色素上皮の欠損部(裂孔)では脈絡膜血管がよく透見され,螢光造影で強い過螢光を示した.その後,網膜下に著しい結合織性の増殖組織を生じた.老人に生じる大きい網膜色素上皮剥離に自然に,または光凝固後に,このような色素上皮裂孔の発生することが注目されているが,わが国では本例のような症例は報告されていないので紹介した.
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