文献詳細
文献概要
臨床實驗
フラシンの副作用
著者: 小原博亨1
所属機関: 1名古屋鉄道病院
ページ範囲:P.482 - P.485
文献購入ページに移動 フラシンは1944年米國のEaton研究所で発見せられ,グラム陽性菌のみでなくグラム陰性菌に対し廣範囲の抗菌作用を有し,然もズルホンアミド剤と異り血液及び血清中で発育阻止的でなく,眞に殺菌的に作用する,從て創傷と表在性感染症の治療剤として外科皮膚科耳鼻科歯科等にも廣く用いられて居る.眼科領域に於ても石井章次氏及び初田博司氏の本剤使用成績の報告があり何れも卓効を奏するとされて居るが,未だ本剤の副作用に就ては報告されて居ない.私共も本剤を使用し急性結膜炎のあるものには著効を認めたが稀には副作用として眼瞼皮膚炎,球結膜の発赤,角膜の表皮剥離等を來す事がある事を経驗したので,此の副作用に就て報告する次第である.
掲載誌情報