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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科4巻11号

1950年11月発行

文献概要

私の經驗

ストレプトマイシン治驗例

著者: 柴田正元

所属機関:

ページ範囲:P.496 - P.496

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 先に大塚教授が本誌に於てストレプトマイシン(以下スト略)の綜説を発表され,我々開業医でも既に相当治驗例があることと思われるが,私は,最近ストを使用して1例には効果を認め,他の1例には却て惡影響を與えた症例を経驗したので御報告し諸賢の批判を仰ぎ度いと思う.
 〔第1例〕27歳の女.18歳のとき,右眼は角膜炎に罹つて約1ケ年治療した事がある.10日前に風邪を引いてまだ治らなが1週間前から矢張り右眼に羞明流涙が起つて來た.3日前から眼痛が加わり視力が更に減退して來た.右眼の輪部11時から1時にわたり鞏膜にかけて約あづき粒大の限局性の充血があり,少し腫脹しており圧痛がある.其の部から角膜の中心部に向つて舌状の溷濁があり毛樣充血を認める.國立病院の内科で診療して貰うと,右肋膜肥厚癒着,右中肺部呼吸音尖鋭,ラツセル無し,X線檢査.右側肋膜癒着,血沈1時間30mm,時間。ツ反應,弱陽性,ワ氏反應陰性と云う所見であつた.硬化性角膜炎の診断の下に,それに対する治療を1週間続けたが少しも快方に向つて來ない.それで本人の希望もありストを3本使用して見ることとした.1日0.5grを3囘に分けて注射し,大塚氏の局所應用の発表に從い5mg/1ccの溶液を点眼させた.翌日見ると,局所の状態は稍々良好となつて自覚症も樂になつて來たと言う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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