文献詳細
臨床實驗
文献概要
緒言
先天性全色盲はKollner (1929)に依れば40萬人に1人と言う極めて稀な頻度を有し,血族結婚の両親を持つもの多き事実と,從來の報告に依り近親中に部分色盲あるものなく,劣性遺傳の特微を示し部分色盲とは遺傳形式を異にするものであると考えられ,Galezowski (1868)が本患者は円柱体視をなすものであると唱えて以來,円錐体機能欠除説が通常の考えとして通用して今日に到り,本患者に必発の羞明,眼球振盪等の諸症状等が斯かる仮説に依つて解明されて來たのであるが,最近私は本患者の諸檢索を行い,円錐体機能欠除説に疑義を抱くに到つたので此処に報告する.
先天性全色盲はKollner (1929)に依れば40萬人に1人と言う極めて稀な頻度を有し,血族結婚の両親を持つもの多き事実と,從來の報告に依り近親中に部分色盲あるものなく,劣性遺傳の特微を示し部分色盲とは遺傳形式を異にするものであると考えられ,Galezowski (1868)が本患者は円柱体視をなすものであると唱えて以來,円錐体機能欠除説が通常の考えとして通用して今日に到り,本患者に必発の羞明,眼球振盪等の諸症状等が斯かる仮説に依つて解明されて來たのであるが,最近私は本患者の諸檢索を行い,円錐体機能欠除説に疑義を抱くに到つたので此処に報告する.
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