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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科4巻5号

1950年05月発行

文献概要

眼科醫の知識

オーレオマイシン 發見 性能 治療

著者: 梅沢浜夫1

所属機関: 1豫研

ページ範囲:P.220 - P.220

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 土の中の微生物—黴,放線菌,細菌は最近十年の間に私たちに,いくつかの治療藥を送り出した.ペニシリンはペニシリウム・フソリゲーヌム・フソリゲーヌムと云う一種の毒黴によつて作られるものである.其後放線菌を研究する人たちは又幾つかの幸運に惠まれた.巾0.5〜1.0ミクロンの菌糸が分枝してもつれあつてできている放線菌には100以上の種類がある.その一つストレプトマイツエス・グリゼウスはストレプトマイシンを作りストレプトマイツエス・ベネゼラあるいはストレプトニイツエス・ベネゼラはクロロマイセチン(腸チフス・発疹チフスの治療藥)を作つた.
 アメリカのレデル製藥会社のダツカー博士も放線菌の治療藥の研究者であつた.土から分離した一つの放線菌は菌体も黄色で黄色く寒天培養基の中へ滲み込んで行く色素をつくる.この放線菌にストレプトマイツエス・オーレオフアシエレスと命名した.これからやがて黄色の結晶が製出された.間もなく大きなタンクの中で培養されてオーレオマイシンは製作されたのである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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