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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科4巻7号

1950年07月発行

文献概要

臨床実驗

脊髓癆性視神經萎縮症の予後と治療に就て

著者: 高橋益夫1

所属機関: 1市立凾館病院眼科

ページ範囲:P.295 - P.296

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 脊髓癆の予後,少くとも生命に関する予後は恐るるに足りない.排尿障碍,運動失調などがあつても,麻痺性痴呆を合併しない限り,智力,判断力は侵されないから比較的仕事が出來る.所が之に由る視神経萎縮は我々眼科医の比較的屡々遭遇するものであるが,視力に関する限り時期を失すると効が無く,患者に対して氣の毒でならない.試みに米國の統計を借りると次の如くである.即ち.Wills病院の117例,Johns Hopkins病院の132例,計249例の非治療梅毒性視神経萎縮症の予後は,完全なる両眼の盲は症状発現後,3年以内に90%,稀な例では進行の徐々なる場合もあるがそれでも9年の終りには盲となると.Hurlinの研究によると,米國には1000人に1.75の割に盲人が居り,其の中で,10〜15%は梅毒に基因し,此の割合から23000〜34500の之に由る人の存することが判る.此の梅毒に由來するものの中,90%は先天性或いは後天梅毒に因する視神経萎縮症である.Mooreに50,000の原発性視神経萎縮が存在するとし,又成人の10%が梅毒に罹患し,その中,非治療及び不充分なる治療によつて5%が,脊髓癆に発展すると仮定すると50万人に及んで由々しき事であると,JosephV.Klauderは述べて居る.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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