icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科40巻1号

1986年01月発行

文献概要

臨床報告

急性単球性白血病に合併した網膜中心動脈閉塞の1例

著者: 矢ケ﨑克哉1 宮川典子1 稲垣恭子1 木内誠2 中出泰充3

所属機関: 1国立名古屋病院 2名古屋大学 3国立名古屋病院血液内科

ページ範囲:P.25 - P.29

文献購入ページに移動
 33歳の急性単球性白血病の男子患者の再発例に合併した片眼性の網膜中心動脈閉塞症を報告した.その原因は血液粘性の増加,あるいはhyperglobulinemiaによる網膜中心動脈閉塞ではなく,視神経への白血病細胞の浸潤あるいは転移による網膜中心動脈と視神経中心動脈の機械的閉塞によるものと考えられた.しかし,罹患眼の脈絡膜循環は正常であったので,短および長後毛様体動脈には閉塞は生じていなかったと考えられた.これらの事実から,視神経への浸潤あるいは転移が考えられる白血病を代表とする全身疾患で,網膜中心動脈閉塞の発生を観察したならば,CT撮影を早急に行う必要性を痛感した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?