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臨床報告
乳児の急性硬膜下血腫に続発し増殖性変化を来した両眼硝子体出血の1例
著者: 三輪正人1
所属機関: 1滋賀医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.53 - P.56
文献購入ページに移動 急性硬膜下血腫に引き続き,両眼に著明な硝子体出血を起こした生後9カ月の男児の症例を経験した.
左眼には,繊維性増殖膜が形成され続発性網膜剥離が起こったため,硝子体手術等を施行したが最終的には眼球癆となった.右眼は保存的に経過観察を行ったが,視機能の保持は不可能であった.
この症例の発症および経過に関して,以下のように推測した.急性硬膜下血腫に続いて起こった硝子体出血は,突然の頭蓋内圧上昇により,中心性網膜静脈閉塞症と類似する状況が起こったためである.また,新生血管を伴った増殖性変化は,静脈閉塞が硬膜下水腫のため遷延したため,反応性に起こったものである.
左眼には,繊維性増殖膜が形成され続発性網膜剥離が起こったため,硝子体手術等を施行したが最終的には眼球癆となった.右眼は保存的に経過観察を行ったが,視機能の保持は不可能であった.
この症例の発症および経過に関して,以下のように推測した.急性硬膜下血腫に続いて起こった硝子体出血は,突然の頭蓋内圧上昇により,中心性網膜静脈閉塞症と類似する状況が起こったためである.また,新生血管を伴った増殖性変化は,静脈閉塞が硬膜下水腫のため遷延したため,反応性に起こったものである.
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