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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科40巻10号

1986年10月発行

文献概要

臨床報告

多剤耐性緑膿菌による難治性眼窩感染症とofloxacin効果

著者: 大石正夫1 坂上富士男1 大桃明子1 田沢博1

所属機関: 1新潟大学眼科学教室

ページ範囲:P.1128 - P.1131

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 81歳,女性,左眼窩腫瘍で眼窩内容除去術が施行された症例で,術後眼窩感染を発症した.眼窩内の膿性分泌物の培養でPseudomonas aer-uginosaが検出された.その薬剤感受性はcar-benicillin,sulbenicillin,piperacillin,cefsulodin,cefoperazone,cefpiramideのすべてに>100μg/mlの高度耐性,ceftazidimeには12.5μg/mlgentamicin,amikacin,habekacinには25〜50μg/mlの最小発育阻止濃度で耐性を示した.ofloxacinには1.56μg/mlで高感受性であった.ofloxacinの局所,全身投与により,眼窩内の膿性分泌物の軽減,菌数の減少がみとめられて臨床症状の改善がみられた.多剤耐性のP aeruginosaによる難治症例の治療に,ofloxacinがきわめて有用な抗菌剤であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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