icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科40巻10号

1986年10月発行

文献概要

臨床報告

剖検で視神経浸潤を確認できた悪性リンパ腫の1例

著者: 佐野雄太1 敷島敬悟1 菊地泰2

所属機関: 1東京慈恵会医科大学眼科学教室 2東京慈恵会医科大学病理学教室

ページ範囲:P.1170 - P.1173

文献購入ページに移動
 視神経浸潤をきたした悪性リンパ腫の1症例に対し病理組織学的検索を行った.経過中左眼眼底は網膜中心静脈閉塞症の所見を呈するとともに,後極部に網膜深層の斑状出血が多数混在していた.剖検により左視神経,右前頭葉,腎臓,胃等にリンパ腫の浸潤を確認した.視神経における腫瘍細胞浸潤は前部視交叉から強膜篩状板の範囲におよび,くも膜から中隔内血管周囲に強く認められた.実質は著明な空胞化と萎縮をきたしていたが,浸潤は軽度であった.視機能障害の機序としては,軟膜中隔への腫瘍細胞浸潤による血管系閉塞に起因した虚血性機序を重視した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?