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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科40巻11号

1986年11月発行

文献概要

連載 眼の組織・病理アトラス・1【新連載】

中心窩(黄斑)の構築

著者: 岩崎雅行1 猪俣孟1

所属機関: 1九州大学

ページ範囲:P.1248 - P.1249

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 ヒトの中心窩fovea centralisは,乳頭の4mm耳側,0.8mm下方の眼底に存在する直径1.5〜2.5mm,深さ150μmの浅い凹みである.その場所は,固視点,つまり視軸が網膜と交叉する点に相当し,網膜の中で最も視力が高い部位である.
 中心窩の中心部(中心小窩foveola)では,視細胞は錐体だけからなり,杆体は存在しない.この部の錐体は,視力を高めるために細長く,より高い密度で配列しているので,その細胞体よりなる外顆粒層は中央部に近いほど厚い.また,視細胞—双極細胞—神経節細胞のシナプス様式も,周辺網膜にみられる収斂型ではなく,視力を上げるために1:1:1型であるため,内顆粒層,神経節細胞層を構成するニューロンも相対的に多い.したがって,このままでは網膜の固視点に当たる部位では,外顆粒層,内顆粒層,神経節細胞層の,三つの細胞層がすべて厚くなるはずである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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