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連載 眼の組織・病理アトラス・1【新連載】
中心窩(黄斑)の構築
著者: 岩崎雅行1 猪俣孟1
所属機関: 1九州大学
ページ範囲:P.1248 - P.1249
文献購入ページに移動中心窩の中心部(中心小窩foveola)では,視細胞は錐体だけからなり,杆体は存在しない.この部の錐体は,視力を高めるために細長く,より高い密度で配列しているので,その細胞体よりなる外顆粒層は中央部に近いほど厚い.また,視細胞—双極細胞—神経節細胞のシナプス様式も,周辺網膜にみられる収斂型ではなく,視力を上げるために1:1:1型であるため,内顆粒層,神経節細胞層を構成するニューロンも相対的に多い.したがって,このままでは網膜の固視点に当たる部位では,外顆粒層,内顆粒層,神経節細胞層の,三つの細胞層がすべて厚くなるはずである.
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