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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科40巻11号

1986年11月発行

文献概要

臨床報告

日本とフィリピンにおけるウイルス性結膜炎の病因と臨床像の比較

著者: 青木功喜1 川名林治2 松本一郎2 沢田春美3 品川森一4 郭登賦4 紫田リリ4

所属機関: 1青木眼科 2岩手医大細菌学教室 3北海道衛生研究所疫学部 4帯広畜産大獣医公衆衛生学教室 5フィリピン大眼科

ページ範囲:P.1261 - P.1265

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 ウイルス性結膜炎の病因は地域によってその頻度が異なっている.この種の疾患は治療よりも予防に重点が置かれるべきであり,わが国のみならず近隣諸国における眼感染症のサーベイランス情報は大切である.フィリピンのマニラ市で150名,わが国の札幌市で314名合計464名のウイルス性結膜炎の結膜擦過物よりウイルスの分離同定等を行った.マニラ市では62名(41%),札幌市では147名(47%)においてウイルスを分離でき,札幌ではアデノウイルス1型(Ad1),Ad3,4,8,19,35,37,単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1),帯状疱疹ウイルス(VZV)が,マニラではアデノウイルス3型(Ad3),Ad4,7,8,11,19,37とCoxsackie virus A24型変異株(CA24')が分離同定された.ウイルス性結膜炎の主体である流行性角結膜炎(EKC)においては札幌はAdenovirusD群のアデノウイルス8型(Ad8),Ad19,Ad37が,マニラではAd8が高頻度に分離された.今回のsurveyでtypical EKCの所見を示した,札幌在住の45歳の男性からアデノウイルスが分離され,制限酵素HpaIによってAd35であることが同定された.一方マニラの24歳の女性でPCFの所見を示した症例からはCA24の変異株が分離同定された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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