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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科40巻12号

1986年12月発行

文献概要

臨床報告

新生血管緑内障を伴ったEales病の1症例と螢光隅角造影所見

著者: 坂本泰二1 井林裕子1 伊藤憲孝1 大西克尚1

所属機関: 1九州大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1321 - P.1325

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 Eales病に新生血管緑内障(neovas-cular glaucoma)を続発し,その治療に,網膜光凝固療法が有効であった症例を経験した.
 症例 は26歳の男性,Eales病の経過中に,右眼に新生血管緑内障を発症した.初診時の螢光隅角造影検査では隅角および瞳孔縁に新生血管および螢光色素の漏出が見られた.また,眼底には新生血管,硝子体出血が認められた.
 治療としてアルゴンレーザー光凝固を網膜の無血管野に施行した.光凝固施行以後,硝子体出血の再発はない.隅角の新生血管は一部残存しているが螢光色素の漏出はほとんど消褪し,眼圧は正常化した.また初診時に低下していた視力も回復した.
 Eales病に続発した新生血管緑内障の初期治療として網膜光凝固療法は試みられるべき治療法であり,その効果判定に隅角螢光造影検査は有用であると思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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