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臨床報告
文献概要
興味ある所見を示した急性後部多発性小板状色素上皮症の2例について報告した.症例1では本症の典型的な眼底所見を呈する以前に螢光眼底造影で後期に脈絡膜毛細管板の循環障害を示唆する低螢光部がみとめられた.このことから本症では脈絡膜毛細管板の循環障害が持続する結果,色素上皮のbarrierとしての機能異常が出現し,色素上皮に形態的異常(=黄白色小板状病巣)の出現することが確認された.症例2では本症の経過中に漿液性神経上皮剥離が出現し,剥離下に黄白色病巣が観察された.このことから本症では慢性の高血圧性脈絡膜症や妊娠中毒症と同様,脈絡膜毛細管板の循環障害の結果,色素上皮のbarrierとしての機能異常が出現し,脈絡膜由来の漿液が神経上皮下に貯留することがあると考えられた.
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