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連載 眼科図譜・339
脈絡膜骨腫の1例—7年間の経過観察
著者: 仁平美果1 上野聡樹1 松村美代1 塚原勇1
所属機関: 1京都大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.82 - P.83
文献購入ページに移動症例 16歳,女子.左眼の視力低下を主訴として1977年5月2日受診した.初診時視力は,右眼1.5(n.c.),左眼0.7(1,0×0.75D)で,眼圧,前眼部,中間透光体には異常を認めなかった.左眼眼底には視神経乳頭耳下側網膜下に,直径約4乳頭径大のごくわずかに隆起した腫瘤の存在を認めた.腫瘤はなめらかな卵円形でその境界は鮮明であり,中央部では黄白色,辺縁部では燈赤色の色調を呈し,さらに中央部に軽度の色素沈着が認められた.また,病変部および隣接する黄斑部の中央に軽度の続発性網膜剥離が観察された(図1).螢光眼底造影において造影初期より腫瘍の中央部に顆粒状過螢光,さらに後期にかけて病巣部全体に一致したびまん性過螢光という脈絡膜骨腫に特徴的な所見が認められた(本文図1頁183,図2度184).頭部CTにて左眼後極部付近に骨組織とほぼ同密度の扁平な陰影を認め(本文図3頁184),我々はこの症例を脈絡膜骨腫と診断した2).
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