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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科40巻2号

1986年02月発行

特集 第39回日本臨床眼科学会講演集 (1)

学会原著

片眼性硝子体出血の原因と対策

著者: 新田安紀芳1 南部真一1

所属機関: 1群馬大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.91 - P.95

文献概要

 糖尿病性網膜症を除く片眼性に突発した大量硝子体出血151例を検索した.網膜裂孔(42%)と陳旧性網膜静脈分枝閉塞症(37%)が2大原因を占めた.一般に自然予後は不良であった.裂孔群64例中発症後1カ月過ぎてから剥離手術を行った32例は,復位率64%と不良で,その大きな原因は,増殖性硝子体網膜症の合併であった.網膜静脈分枝閉塞症など網膜血管病変の場合,出血の自然吸収は38%と低いうえに,2カ月以後の吸収例は極端に少なく,出血が持続した.また網膜静脈分枝閉塞症やイールズ病に網膜裂孔が18%と高率に合併した.片眼性硝子体出血をみた時には,網膜裂孔の発見と増殖性硝子体網膜症予防のために遅くとも1カ月以内に硝子体手術を行うことが勧められる.
 一方,網膜静脈分枝閉塞症など網膜血管病変が考えられる場合には,2カ月待っても出血が消退しなければ硝子体手術の適応があると結論される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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