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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科40巻2号

1986年02月発行

文献概要

特集 第39回日本臨床眼科学会講演集 (1) 学会原著

増殖性硝子体網膜症を伴う裂孔原性網膜剥離に対するscleral buckling手術の効果

著者: 西村哲哉1 板垣隆1 岡田寿夫1 金井清和1 小林誉典1 加藤直子1 高橋寛二1 南後健一1 宇山昌延1

所属機関: 1関西医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.97 - P.100

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 最近7年間に関西医大眼科でScleralbuckling (SB)法のみで手術を行った重症網膜剥離症例のうち,増殖性硝子体網膜症proliferativevitreoretinopathy (PVR)の重症度がC以上の重篤なもの81例81眼について手術成績を検討した.再手術例を含め,最終的な復位率はC1,C2の症例では96.9%と良好であった.C3〜D3では症例数は18眼と少なかったが,復位率は50%であった.術前に脈絡膜剥離,硝子体出血を伴っていた症例の約半数は復位しなかった.裂孔がなかった症例の不成功率は25.0%であったが,裂孔が存在した症例のそれは9.8%と低かった.網膜が復位すると,視力はほとんどの症例で改善したが,macular puckerを来した症例や,黄斑部に網膜皺襞が残った症例では視力の改善が不良であった.
 従来から行われているSB手術は重症網膜剥離に対しても,基本的かつ有効な術式であることが確認されたが,PVR C3以上の症例や,脈絡膜剥離,硝子体出血,無水晶体眼,剥離手術後再発例,裂孔不明例のような予後不良の条件をもった症例では硝子体手術の併用が考慮される必要があると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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