文献詳細
特集 第39回日本臨床眼科学会講演集 (1)
学会原著
文献概要
黄斑円孔を伴った網膜剥離16症例(女14例,男2例)に対して既報した簡易法を用いて手術を行った.症例はいずれも黄斑円孔以外の網膜裂孔はなく,明確な網膜硝子体癒着が後極部にみられない症例である.黄斑バックル,黄斑ジアテルミー,硝子体切除はいずれも行わず,眼圧を下げ,ガスあるいは空気を硝子体中に注入し,術後患者に腹臥位を命じた.眼圧を下げるのに網膜下液の多い症例では耳側の強膜側より下液を排除し,網膜下液が少ない症例には前房水を吸引した.
16症例中14例でこの簡易法のみにより復位が得られ,3カ月から2年5カ月(平均13カ月)の経過観察中に網膜剥離の再発をみた例はない.
本法は手術手技が容易で,眼球侵襲が極めて少なく,また黄斑部機能を障害しない.黄斑円孔を伴った網膜剥離のかなりの症例で第一選択術式となりうる.
16症例中14例でこの簡易法のみにより復位が得られ,3カ月から2年5カ月(平均13カ月)の経過観察中に網膜剥離の再発をみた例はない.
本法は手術手技が容易で,眼球侵襲が極めて少なく,また黄斑部機能を障害しない.黄斑円孔を伴った網膜剥離のかなりの症例で第一選択術式となりうる.
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