文献詳細
特集 第39回日本臨床眼科学会講演集 (1)
学会原著
文献概要
黄斑裂孔網膜剥離に対して,SF6ガスの硝子体腔内への注入のみによる治療を行った.対象は9例10眼で,増殖性硝子体綱膜症や硝子体牽引のない例に限った.100%のSF6ガスを毛様体扁平部より約0.75ml注入し,眼圧上昇例には前房穿刺にて眼圧を低下させ,術後face down posi-tionをとらせた.10眼中8眼が復位したが,1眼は6カ月後に再剥離し,再度のガス注入にて復位した.復位しなかった2眼のうち1眼は黄斑バックル,1眼は硝子体切除と空気タンポナーデおよび眼内レーザー光凝固にて手術を行い,最終的には全例の復位に成功した.
硝子体切除を行わずに,ガス注入のみによる黄斑裂孔網膜剥離の治療は,手術手技も容易で合併症も少ない.また,手術侵襲も極めて少ないため,今後第一選択となるべき手術方法と思われた.
硝子体切除を行わずに,ガス注入のみによる黄斑裂孔網膜剥離の治療は,手術手技も容易で合併症も少ない.また,手術侵襲も極めて少ないため,今後第一選択となるべき手術方法と思われた.
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