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角膜
著者: 樋田哲夫1
所属機関: 1慶大
ページ範囲:P.127 - P.127
文献購入ページに移動Bourne WM et al : Endothelial cell survival on transplanted human corneas presented by organ culture with 1.35% chondroitin sulfate. Am J Ophthalmol 100 : 789-793, 1985Robin JB et al : An Update of the Indications for Penetrating Keratoplasty. 1979 through 1983. Arch Ophthalmol 104 : 87-89, 1986 現在米国のEye Bankで一般に用いられているM-K mediumによる移植用角膜の保存期間は4日が限界とされている.さらに長期の保存を目的とした保存液の開発にとりくみ競いあっているのがK-SolのKaufmanらと本論文のグループである.いずれも保存液にchondroitin sulfateを加えて長期保存を可能にした.chondroitinの保存液への添加は20年前に慶大を中心に研究された.著者らはOrgan cultureの方法を用いて34℃で4週間までの保存を可能にしたが,問題点はテクニックが複雑なこと,calf serum即ち抗原性のある蛋白を含んでいること,保存中の角膜の浮腫が著明なことなどである.本論文ではM-Kmediumに最長81時間保存した角膜と,本法で最長33日間保存した角膜の移植例各30例の術後2カ月の内皮損傷の程度を比較した結果,有意差を認めなかったと述べている.このような長期保存が可能になると,日本でも眼球銀行組織に種々の変革が必要になると思われる.
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