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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科40巻2号

1986年02月発行

文献概要

特集 第39回日本臨床眼科学会講演集 (1) 学術展示

小眼球症に合併した無症候性巨大眼窩腫瘍

著者: 朝岡守1 松高久1 永井真之1 清水由規1 石井和博2

所属機関: 1日本医科大学眼科学教室 2日本医科大学形成外科

ページ範囲:P.142 - P.143

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 眼窩腫瘍は一般に眼球突出,眼球運動障害等の臨床症状を呈するものが多いが,今回単に視力の低下を主訴とし高度の遠視,後極部の特異な網膜皺襞を呈しCT検査にて眼窩腫瘍を発見した症例を経験したのでここに報告する.
 症例 47歳男子.初診:1984年12月7日.主訴:右眼視力低下.既往歴:8年前眼球打撲あり.家族歴:特記すべき事項なし.現病歴:1週間前に偶然右眼視力低下に気づき近医受診,当科紹介さる.眼科的所見:V.d.=0.02(0.1×+6.0D),V.s.=0.5(1.2×+1.0Dcyl-0.5DAx 135°).右=10mmHg,左=15mmHg.眼球突出度はHertelにて右=14mm,左=12mm.右眼眼底は黄斑部を中心に網膜皺襞が放射線状にあり網膜動静脈の蛇行,乳頭部より鼻側は浮腫状.螢光眼底撮影にて乳頭上の過螢光と黄斑部に螢光漏出を認めた.左眼眼底は特に異常を認めず.CT検査にて右眼球後,外直筋と視神経の間に大きさ約2.7×1.8×2.5cmの充実性の腫瘍を認めた.右総頸動脈撮影(大腿動脈経由,Seldinger法による)にて右眼動脈の外側やや上方に圧排,偏位を認め眼窩内側に淡いstainを認める.67Gaシンチにて異常所見認められず.経過:以上よりmalignant lymphomaも考えdiagnostic radiother-apyとして20Gy照射行うが縮小見られず.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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