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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科40巻2号

1986年02月発行

文献概要

特集 第39回日本臨床眼科学会講演集 (1) 学術展示

眼内灌流液の角膜内皮バリア機能に及ぼす影響 GBRおよびS-MA2による検討

著者: 新家真1 松元俊1

所属機関: 1東京大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.158 - P.159

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 緒言 眼内灌流液は,内眼手術において今や不可欠なものとなったが,眼組織,特に角膜内皮細胞に対する安全性が極めて重要である.従来内皮への影響は角膜膨潤率ないし,内皮細胞面積や組織所見等の形態学的変化を指標として評価されてきた1,3〜5).しかし内皮細胞間の接合状態を反映するbarrier機能は,内皮損傷の程度をより鋭敏に反映すると考えられる1).我々はin vitro角膜灌流下内皮barrier機能評価法を開発し,現在最も傷害が少ないと考えられているGBR2),S-MA24)の2種の灌流液の内皮機能への影響を検討したので報告する.
 実験方法 白色家兎(2.2-2.9kg)を屠殺後ただちに両眼球を摘出,角膜上皮を剥離後perfusion chamber2)にマウントし,上皮側をsilicone oil (Dow CorningMs 200 fluid)で被い,内皮側を37℃で,25μ1/分の割合で灌流した.灌流は両眼同時に行い,常に一方は対照としてGBR,他方はS-MA2またはGBRにて灌流した.なお,各灌流液の組成は表1に示した.灌流開始後約15分の時点でSpecular microscope2)により角膜厚さを測定,silicone oilを吸引除去した後,0.05%のcarboxy fluorescein (CF)溶液を約10秒間実質上皮側に接触せしめた後十分に吸引除去し,再びsilicone oilにて上皮側を被った(図1).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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