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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科40巻3号

1986年03月発行

特集 第39回日本臨床眼科学会講演集 (2)

学会原著

ヒト涙液ライソゾーム酵素活性,特にリゾチーム活性に対するアミノ配糖体抗生物質の影響

著者: 塩野貴1 早坂征次1

所属機関: 1東北大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.222 - P.223

文献概要

 ヒト涙液中のライソゾーム酵素であるリゾチーム,酸フォスファターゼ,N-アセチル-β-D-グルコサミニダーゼ活性に対するアミノ配糖体抗生物質の影響を検討し,以下の結果を得た.用いたアミノ配糖体抗生物質はすべてリゾチーム活性を阻害したが,他酵素に対してはベカナマイシンを除いては活性に影響は認められなかった.一方他種の抗生物質であるサルベニシリンとエリスロマイシンは,これらの酵素活性をほとんど阻害しなかった.以上のことから,アミノ配糖体抗生物質のリゾチームに対する阻害作用は特異的であり,したがって外眼部感染症の予防を目的とした点眼は,結膜嚢の自浄作用にとって,重要なリゾチーム活性を阻害しないアミノ配糖体以外の抗生物質の使用が望ましいと思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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