icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科40巻3号

1986年03月発行

文献概要

特集 第39回日本臨床眼科学会講演集 (2) 学会原著

成人型封入体性結膜炎の臨床疫学とクラミジア各種検出法の比較

著者: 青木功喜1 丹田均1 田畑浩一1 諸星輝明2 沼崎啓2 千葉峻三2 中尾亨2

所属機関: 1 2札幌医科大学小児科

ページ範囲:P.229 - P.232

文献購入ページに移動
 眼科,泌尿科および婦人科外来でクラミジア感染を疑った114名の患者について,分離培養(Cycloheximide処理McCoy cell),直接蛍光抗体法(Micro Trak),プロパツェツク小体(Giem-sa染色)によって病因的検索を加えた.陽性率は47%であり組織培養41%,蛍光抗体法32%,ギムザ染色14%であった.その陽性者は男:女=21:8と男が多く,尿道炎,前立腺炎,子宮頸管炎などの既往歴のある群が71%で対照の37%より多かった.患者の主訴は,眼脂と充血が片眼にみられ,16歳から25歳までの若年層が10例56%と多いのが注目された.結膜炎は急性濾胞性結膜炎の所見で始まり,濾胞は3カ月以降には減少,乳頭増殖を示していく傾向がみられた.鑑別診断としては流行性角結膜炎が大切であり,2週間経っても軽快傾向を示さず,片眼のまま経過する濾胞性結膜炎にはクラミジア感染を考慮する必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら