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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科40巻3号

1986年03月発行

特集 第39回日本臨床眼科学会講演集 (2)

学会原著

ヒト結膜濾胞のリンパ球サブセット

著者: 田川義継1 斉藤学1 小阪貴1 竹内勉1 松田英彦1 高見剛2 菊地浩吉2

所属機関: 1北海道大学医学部眼科学教室 2札幌医科大学第1病理学教室

ページ範囲:P.239 - P.242

文献概要

 5例の濾胞性結膜炎患者より生検した結膜濾胞を用い濾胞を構成するリンパ球について検討した.(1)濾胞の中心は細胞表面にIgM・IgDをもつ幼若なB細胞が主体であった.(2) B細胞領域の周囲はT細胞が主体で,helper/inducer T細胞が多くみられた.(3)結膜上皮下にT細胞・形質細胞がみられ,形質細胞の多くはIgA保有細胞であった.結膜上皮細胞に分泌型IgAのsecre-tory componentをみとめた.(4)結膜上皮層ではランゲルハンス細胞およびsuppressor/cytotoxic T細胞が主要な免疫系細胞であった.
 以上より,結膜濾胞は眼球表面における抗原刺激に対しB細胞が抗体産生細胞へ分化する場であり,結膜における分泌型IgAの産生に重要な役割をはたすと推測された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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