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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科40巻3号

1986年03月発行

文献概要

臨床報告

水晶体嚢性緑内障に対するレーザー隅角形成術の効果

著者: 上野脩幸1 玉井嗣彦1 野田幸作1 岸茂1 植田葉子1 竹村恵1 割石三郎1 北川康介1 織田あおい1 町田照代2

所属機関: 1高知医科大学眼科学教室 2町田病院眼科

ページ範囲:P.279 - P.283

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 薬物コントロール不良の水晶体嚢性緑内障眼33例34眼(年齢54歳〜85歳(平均70.9歳))にlaser trabeculoplasty (LTP)を施行し3カ月〜3年9カ月(平均11.8カ月)の経過観察を行い有効性を検討した.LTP後成績は著効27眼(79.4%),有効4眼(11.8%)で両者を合せると31眼(91,2%)が成功と判定された.成功例ではLTP後,いずれの観察時期においても高度に有意(P<0.001)の眼圧下降が得られた.なかでも12カ月目の,差の平均値±標準偏差は−16.4±6.4mmHgと最大であった.LTP前眼圧の高いもの(30mmHg≦)ではLTP後の眼圧下降幅(17.0±7.7mmHg (標準偏差))は最大を示し成功率(92.3%)も高かった.隅角線維柱帯の色素沈着の強いもの程,LTP後の眼圧下降が著明であった.LTP後のトノグラフィーC値は,LTP前に比べ高度に有意(P<0.001)の改善がみられた.
 重大な合併症はなく,本症に対するLTPの有用性が示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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