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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科40巻3号

1986年03月発行

文献概要

網膜裂孔発見のためのポイント集(3)

網膜剥離の範囲と裂孔の位置(1)

著者: 桂弘1

所属機関: 1慶應義塾大学

ページ範囲:P.288 - P.289

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 網膜剥離の範囲,言い換えればその進行様式は,裂孔の位置およびタイプ,網膜下液の重力による移動性および体位,そして,乳頭,鋸状縁,瘢痕などの網膜脈絡膜間の癒着といった解剖学的限界によって決まってくる.したがって,逆にいえば,網膜剥離の範囲から裂孔の位置を予想することができる.LincoffやSchepensがわかりやすくまとめているが,そこには一つのルールがあり,これを知っておくと裂孔を発見する上で大きな助けとなる.大部分の症例はこのルールにあてはまるので,剥離の範囲がわかれば自ずと裂孔のある場所がわかってくることが多い.したがって,最初から周辺部に裂孔を捜すのではなく,まず,剥離の範囲を把握することが大切である.また,どうしても裂孔が発見できない場合,剥離の範囲から裂孔のあるべき部位が予想できれば手術の方法を決定する上で大きな助けとなる.さて,そのルールについて,Lincoffらのものに若干の私見をまじえて次に述べる.なお,剥離の範囲が狭ければこのようなことをとりたてていうことはないわけで,ここで述べるのは,少なくとも1象限以上剥離している場合である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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