icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科40巻3号

1986年03月発行

臨床報告

サルコイド性ぶどう膜炎患者のEpstein-Barrウイルス抗体価

著者: 新井一樹12 砂川光子1 詹宇堅13 沖波聡4

所属機関: 1京都大学医学部眼科学教室 2京都大学医学部病理学教室 3広州中医学院眼科 4天理よろづ相談所病院眼科

ページ範囲:P.293 - P.296

文献概要

 京大病院眼科ぶどう膜炎外来に通院中のサルコイド性ぶどう膜炎患者23名(前部ぶどう膜炎患者7名,全ぶどう膜炎患者16名)眼症状のないサルコイドージス患者13名および対照健康人144名について,血清Epstein-Barr (EB)ウイルス抗体価を測定した.抗Early-Antigen抗体の抗体上昇例(抗体価≧20)出現率,および抗体価の幾何平均とも,前部ぶどう膜炎患者群では対照健康人群よりP<0.001で有意に高値を示した.また有意差は認められなかったが,全ぶどう膜炎患者群と比べても高値を示した.抗Viro-Capsid-Antigen抗体価,抗EB Virus Nuclear Antigen抗体価の幾何平均は前部ぶどう膜炎患者で全ぶどう膜炎患者と比較し高値を示し,先に報告した一般のぶどう膜炎と同じパターンを示した.EBウイルスに対する免疫反応において,サルコイド性ぶどう膜炎患者群における前部ぶどう膜炎患者群と全ぶどう膜炎患者群とは,全く異なった抗体価のパターンを示したことから,一般のブドウ膜炎と同様にサルコイド性ぶどう膜炎においても両者の間には免疫応答に相異があるのではないかと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら