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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科40巻4号

1986年04月発行

文献概要

特集 第39回日本臨床眼科学会講演集 (3) 学会原著

CO2レーザーによる経強膜光凝固の臨床応用について

著者: 杉本由佳1 原和彦1 野寄喜美春1

所属機関: 1埼玉医科大学眼科

ページ範囲:P.321 - P.324

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(1)低出力安定型CO2レーザー装置LMC-352とCO2レーザー伝導効率の高いKRS-5ファイバーを使用し,先の動物実験の結果をもとに経強膜網膜凝固を臨床的に応用した.その結果,網膜剥離の裂孔閉鎖や周辺部変性の剥離予防手術において,18眼中17眼に良好な結果を得た.
(2)凝固条件の安全域が広く,適正条件は凝固出力300mW〜450mW,凝固時間10秒〜40秒であった.適正出力ではかなり長時間照射しても重篤な合併症はなく,たとえ過剰凝固となっても冷凍凝固のような網脈絡膜出血や裂孔形成は発生しなかった.また,今回の条件範囲内では,強膜への障害は全く認めなかった.
(3)本法は冷凍凝固に比べ,凝固斑が小さく,先端のファイバーチップの交換により凝固サイズの変更も可能で,位置的にも精密な凝固が可能であった.また凝固直後から凝固斑が明瞭であり,同一部位を重複凝固することなく,正確な凝固斑の配列が可能であった.
(4)本法による網膜凝固で,硝子体への影響はみられなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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