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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科40巻4号

1986年04月発行

文献概要

特集 第39回日本臨床眼科学会講演集 (3) 学会原著

二次的人工水晶体移植眼の角膜内皮細胞

著者: 高橋由佳理1 野近裕美子1 前田育枝1 谷口重雄1 稲富誠1 深道義尚1

所属機関: 1昭和大学医学部眼科

ページ範囲:P.331 - P.334

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 二次的人工水晶体移植術を行った94例104眼について,術前,術後の角膜内皮細胞をSpecular microscopeを用いて観察した.
 二次移植前の細胞面積は502±240μm2であった.二次手術までの期間は2カ月から35年にわたっていた.二次移植後の細胞面積は,術後6ヵ月で584±234μm2でcell lossは14%であった.二次移植に用いたレンズは,隅角支持レンズ96眼,後房レンズ6眼,4ループレンズ2眼でcelllossは,各々11%,7%,22%であった.二次移植前の細胞面積の大小,手術までの期間の因子は,術後のcell lossに影響しなかった.
 隅角支持レンズ,後房レンズを用いた二次移植は,安全で有効な方法であるが,手術前の角膜内皮細胞面積の検査は不可欠である.術前面積が1000μm2以上で内皮障害が強く疑われる症例では,二次移植の際,viscosurgery等により,角膜内皮の保護に十分注意を払う必要があると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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