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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科40巻4号

1986年04月発行

文献概要

特集 第39回日本臨床眼科学会講演集 (3) 学会原著

外傷性眼内炎の超音波Bモード所見について 分類と治療および予後

著者: 新里悦朗1 松本長太1 橋本陽世1 小島伸介1 三島弘1 大鳥利文1

所属機関: 1近畿大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.343 - P.346

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 従来,眼内炎は予後不良の疾患とされてきたが,硝子体手術の進歩により,その予後は著しく改善された.我々は臨床的に外傷性眼内炎と診断され,1977年1月より1985年1月までに近畿大学医学部附属病院において入院加療を受けた18例18眼のうち,超音波検査を施行した15例15眼を対象とした.超音波所見を,stage 0〜IVに分類しそれぞれ,陰影なし,膜様陰影,小嚢様陰影,嚢様陰影,嚢様陰影+網膜剥離とした.また全例を最終矯正視力0.1以上の予後良好群と0.1未満の予後不良群とに分け,硝子体手術施行例(10例)と硝子体手術非施行例(5例)とについて検討を加えた.
 硝子体手術施行例,非施行例ともに,stage IIまではすべて予後良好(硝子体手術施行例:6/10,非施行例:3/5)で,stage III以降に進むと,すべて予後は不良(硝子体手術施行例:4/10,非施行例:2/5)であった.
 外傷性眼内炎の超音波Bモード所見の分類は,治療方針の選択と予後判定上非常に有用であった.この分類を用いて予後ならびに視力の改善という観点から硝子体手術時期をみると,stage II (小嚢様陰影)が最適と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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