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特集 第39回日本臨床眼科学会講演集 (3) 学会原著
眼部悪性腫瘍の治療後における長期経過観察の重要性について
著者: 金子明博1
所属機関: 1国立がんセンター病院眼科
ページ範囲:P.359 - P.362
文献購入ページに移動 眼部悪性腫瘍の術後長期の経過観察が重要であることを示す症例報告として,(1)脈絡膜メラノーマ眼球摘出後10年目に全身転移の発見された症例,(2)網膜芽細胞腫眼球摘出後8年目に全身転移が認められた症例,(3)両眼性網膜芽細胞腫の眼球保存療法後16年目に眼窩にmalig-nant fibrous histiocytomaが発生した症例,(4)涙腺癌摘出後8年目に肺転移が認められた症例を報告した.
わが国における眼部メラノーマの予後調査を行ったところ,242症例中111例(46%)が治療後3年以上の経過が不明であった.この原因につきアンケート調査を行った.眼科医の眼部悪性腫瘍の治療後の長期経過観察の重要性に対する認識が低いため,患者の教育,担当医交代時の引継,カルテの管理体制,再来の方式などにつき問題があると推定された.
わが国における眼部メラノーマの予後調査を行ったところ,242症例中111例(46%)が治療後3年以上の経過が不明であった.この原因につきアンケート調査を行った.眼科医の眼部悪性腫瘍の治療後の長期経過観察の重要性に対する認識が低いため,患者の教育,担当医交代時の引継,カルテの管理体制,再来の方式などにつき問題があると推定された.
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