特集 第39回日本臨床眼科学会講演集 (3)
学術展示
ぶどう膜炎患者の血中フィブリノペプタイドA,フィブリノペプタイドBβ15-42
著者:
砂川光子1
新井一樹1
誉宇堅12
沖波聡3
所属機関:
1京都大学医学部眼科
2広州中医学院
3天理よろづ相談所病院
ページ範囲:P.386 - P.387
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緒言 生体内における凝固,線溶系の動態は,凝固系と線溶系とを別々に分けて把握することが,従来の血液学的検査では,非常に困難であった.フィブリノペプタイドA (FPA)とは,血液凝固の際に,トロンビンによって,フィブリノーゲンより遊離するため,血液凝固状態を反映すると考えられている.また,フィブリノペプタイドBβ15-42(FPBβ15-42)は,線溶系酵素プラスミンにより,フィブリンより遊離するため,線溶状態を反映すると考えられている.Nossel1),Kudryk2)らにより,FPA,FPBβ15-42のラディオイムノアッセーが開発され,血漿中のFPA,FPBβ15-42の微量定量が可能になった.
今回,我々は以前より血液凝固系の異常を指摘されているBehçet病を含む3〜6)ぶどう膜炎患者7)の,血液中のFPA,FPBβ15-42を測定し,興味ある結果を得たので報告する.