文献詳細
臨床報告
文献概要
悪性緑内障は,主に観血的手術の重篤な術後合併症として知られているが,我々は観血的手術の既往なく発症した1例を経験した.
症例 は52歳の男性で,数年来の片眼の近視化と,眼圧上昇があり,他医でレーザー虹彩切開術を施行されていた.前房は極めて浅く,散瞳により前房深度の増加を認めた.周辺虹彩前癒着は認められず,毛様突起の腫脹と前方偏位,前硝子体膜の水晶体後面,毛様突起後面への密着を認めた.
本症の発症機序としてciliary blockの概念があるが,本症例では毛様突起,水晶体,硝子体の三者間がwater tightとは考え難い事,房水流出率に低下を認めなかった事等から,硝子体から後房への流出抵抗増大,または,硝子体の液体透過性の低下によって発症したものと推察した.
症例 は52歳の男性で,数年来の片眼の近視化と,眼圧上昇があり,他医でレーザー虹彩切開術を施行されていた.前房は極めて浅く,散瞳により前房深度の増加を認めた.周辺虹彩前癒着は認められず,毛様突起の腫脹と前方偏位,前硝子体膜の水晶体後面,毛様突起後面への密着を認めた.
本症の発症機序としてciliary blockの概念があるが,本症例では毛様突起,水晶体,硝子体の三者間がwater tightとは考え難い事,房水流出率に低下を認めなかった事等から,硝子体から後房への流出抵抗増大,または,硝子体の液体透過性の低下によって発症したものと推察した.
掲載誌情報