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臨床報告
観血的手術の既往なく生じた悪性緑内障の1例
著者: 竹内晴子1 大久保潔1
所属機関: 1神戸大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.399 - P.402
文献購入ページに移動症例 は52歳の男性で,数年来の片眼の近視化と,眼圧上昇があり,他医でレーザー虹彩切開術を施行されていた.前房は極めて浅く,散瞳により前房深度の増加を認めた.周辺虹彩前癒着は認められず,毛様突起の腫脹と前方偏位,前硝子体膜の水晶体後面,毛様突起後面への密着を認めた.
本症の発症機序としてciliary blockの概念があるが,本症例では毛様突起,水晶体,硝子体の三者間がwater tightとは考え難い事,房水流出率に低下を認めなかった事等から,硝子体から後房への流出抵抗増大,または,硝子体の液体透過性の低下によって発症したものと推察した.
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