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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科40巻5号

1986年05月発行

文献概要

特集 第39回日本臨床眼科学会講演集 (4) 学会原著

後部ぶどう膜炎を初発症状とする眼・中枢神経系原発悪性リンパ腫の4例

著者: 神園純一1 松橋正和1 気賀沢一輝1 小沢博子1 三方淳男2 秋山健一3

所属機関: 1慶応義塾大学医学部眼科 2慶応義塾大学医学部病理 3国立東京第二病院眼科

ページ範囲:P.455 - P.460

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 後部ぶどう膜炎を初発症状とした眼・中枢神経系原発悪性リンパ腫(type 1)の4例を報告した.臨床的特徴としては50歳以上で前房,硝子体内に細胞が存在し,網膜深層に黄白色円形の病巣が多発性に赤道部から後極に存在し,病巣部の網膜色素上皮の異常を伴った.螢光眼底撮影では,初期脈絡膜背景螢光のblock, late stageでの過螢光を呈した.診断方法として経強膜的網脈絡膜生検を4例中3例に行い,重篤な合併症なく3例全例で病理組織学的診断が得られたことより,経強膜的網脈絡膜生検が比較的安全で有用であると考えられた.これまで報告されている眼内悪性リンパ腫を再検討し,type 1:眼・中枢神経系原発悪性リンパ腫,type 2:全身の悪性リンパ腫の経過中に発症する眼内悪性リンパ腫の二つのtypeが存在することを報告し,type 1眼内悪性リンパ腫腰の眼科的臨床的特徴をまとめた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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