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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科40巻5号

1986年05月発行

文献概要

特集 第39回日本臨床眼科学会講演集 (4) 学会原著

原田病の視機能の予後についての検討 ステロイド大量投与例と非投与例の比較

著者: 山本倬司1 佐々木隆敏1 斉藤春和1 磯部裕1 新納昭子1 若林紀子1 木村素子1

所属機関: 1横浜市立大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.461 - P.464

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 原田病のステロイド大量療法の評価を再検討することを目的とし,ステロイド大量投与例(A群)と非投与例(B群)を対象として,その視機能の予後について検討した.初診より6カ月以上観察できた症例30例59眼(A群13例26眼,B群17例33眼)を対象とし,次の各視機能につき検査を行った.検査成績:1)視力:1.0以上はA群76%,B群94%.0.5以下はA群16%,B群0.2)色覚;a)40色相配列検査,総偏差点25以下はA群81%,B群70%.26以上はA群19%,B群30%.b) SPP II,青黄異常はA群23%,B群31%.赤緑異常はA群12%,B群13%.3)視野:異常はA,B群とも27%.4) CFF:異常値を示したものA,B群とも27%.5) ERG:低下したものA群38%,B群33%.6)暗順応:低下したものA群39%,B群12%であった.A群,B群の視機能の予後にはほとんど差がなく,また良好な経過をとった.このことから画一的なステロイド大量療法は行われるべきでないと考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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