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網膜の生化学と細胞生物学,他
著者: 荻野誠周1
所属機関: 1京大
ページ範囲:P.486 - P.487
文献購入ページに移動Roberge FG et al : Long-term culture of Muller cells from adults rats in the presence of activated lymphocytes/monocytes products. Curr Eye Res 4 : 975-982, 1985 ミューラー細胞(M)は網膜色素上皮細胞とともに網膜の支持細胞として重大な機能を持つはずだが,それに関する研究は至って少ない.Mを単離して培養下に移すことはすでに可能であったが,増殖させて細胞機能の研究に用いることはできていなかった.彼らはラット網膜からカルシウムのキレーター,コラゲナーゼ,ピアルロニダーゼ,パパィン,DNAアーゼ処理,パーコール濃度勾配遠心によってMを分離し培養した.培養液にコンカナバリンAで活性化したラットまたはマウスの脾細胞,あるいはS抗原特異的Tヘルパー細胞の培養液を添加すると,Mは増殖して13回の継代,5カ月間の培養が可能となった.細胞は抗GFAP抗体およびMに対するモノクローナル抗体に染まり,Mの特徴を維持していた.炎症細胞からの分泌物質にMの増殖因子があることは,増殖性硝子体網膜症の発症にMが関与していることを示唆する.Mの機能研究が急速に進展することが期待される.
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