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特集 第39回日本臨床眼科学会講演集 (4) 学会原著
院内出生児と院外出生児における未熟児網膜症の発生・進行の比較検討について
著者: 塚本純子1 馬嶋昭生1 加藤寿江1 市川琴子1
所属機関: 1名古屋市立大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.489 - P.493
文献購入ページに移動(1)院内出生児は33例,院外出生児は63例で死亡率の差はない.
(2)網膜症は院外出生児に有意に多く発生し,重症例も院内出生児よりも院外出生児に多い.
(3)出生体重750〜1,249gの院外出生児とその3期以上の発生は院内出生児よりも多い.
(4)網膜症の発生と進行は出生体重の増大に伴い院内出生児では急激に減少し,院外出生児では徐々に減少する傾向がある.
(5)死亡率と網膜症の発生,進行について出生体重,在胎期間,唐木らの未熟指数Pを比較すると出生体重と最も高い相関があり,P値とは院外出生児でわずかに相関するが,院内出生児では相関がない.これはP値が院外出生児のみから算出された値であるためと推測される.
(6)院内,院外共に新生児仮死や入院時チアノーゼの強いものは死亡しやすく,院外出生児で入院時に低体温のあったものは3期以上の網膜症を生じやすい.
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