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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科40巻5号

1986年05月発行

特集 第39回日本臨床眼科学会講演集 (4)

学会原著

糖尿病性網膜症のvitreous fluorophotometry (その2)単純型と硝子体の状態について

著者: 能美俊典1 藤井正満1 渋谷勇三1 瀬戸川朝一1

所属機関: 1島根医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.494 - P.497

文献概要

 糖尿病患者88例164眼について硝子体の観察とvitreous fluorophotometry (VF)値を測定し,また正常眼31例57眼および片眼性網膜剥離患者の反対眼で後部硝子体剥離(PVD)を有する14例14眼のVF値を対照として検討し次の結果を得た.(1)正常眼および網膜剥離反対眼,糖尿病眼の各平均年齢はほぼ同様で,これらの平均VF値を比較すると正常眼に比し,反対眼,またScott 0-IIIa期の糖尿病眼ともに有意の高値を示した.また網膜剥離反対眼のPVDを有するものよりScott IIIa期の糖尿病眼ではより高値の傾向を認めた.(2)糖尿病眼を病期別にPVDの有無より検討するとScott 0期,Ia期ではPVDを有するものが有意に高いVF値を示すが,Scott IIおよびIIIa期ではPVDとの相関はみられなかった.(3)以上の結果より糖尿病患者のVF値は網膜症を認めない時期や単純型網膜症の初期では硝子体の状態すなわちPVDの有無に影響されやすいが,網膜症の進行に伴いPVDのVF値への関与は減少すると考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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