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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科40巻5号

1986年05月発行

文献概要

臨床報告

Uhthoff現象を呈したシンナー中毒による視神経症の1例

著者: 高槻玲子1 小川憲治2

所属機関: 1市立泉佐野病院 2関西労災病院

ページ範囲:P.547 - P.551

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 数年来のシンナー吸入歴をもつ21歳男性が1日100mlという多量のシンナーを7日間吸入し続けた結果,意識障害,失調,構音障害を伴う急性シンナー中毒になり著明な視力低下を来し明暗の認識も不能になった.シンナー吸入中止により視力は1.0まで回復し視野の初期の中心暗点が消失したかにみえたが,その後も長期にわたってシンナー吸入をくりかえしたため,慢性シンナー中毒になり視力低下,視野で傍中心比較暗点の出現にくわえてUhthoff現象を呈するに至り,さらに眼底所見で視神経の萎縮を来した.
 これはシンナー中のトルエンにより視神経の髄鞘の変性と崩壊を生じた結果であろうと推論した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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