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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科40巻6号

1986年06月発行

特集 第39回日本臨床眼科学会講演集 (5)

学会原著

徹照像からみた白内障の種々相—II.糖尿病者における白内障の形態的特徴について

著者: 藤原隆明1 矢田浩二1 山本晃1 小林修1 秋山理津子1 茅根重一1

所属機関: 1杏林大学眼科学教室

ページ範囲:P.607 - P.610

文献概要

 徹照像撮影を行った白内障患者338名(男144名,女194名)を対象として,糖尿病者(142名)と非糖尿病者(196名)に分け,徹照像の形状を尾羽沢の分類に従って分類,比較した.
 全体的にみると,糖尿病者に小胞状,放射状陰影が,非糖尿病者に円板状陰影が多く,1%以下の危険率をもって有意差を認めた.各年代毎にみると,放射状陰影と輪状陰影が加齢とともに出現頻度が増加した.また各年代において,特に著しい高血糖状態の既往を有するものに小胞状陰影が多くみられた.糖尿病者32名と非糖尿病者42名の,7カ月から21カ月(平均約13カ月)におよぶ観察では,前者は後者の2.3倍の経時的変化率を示し,円板状,小胞状,放射状陰影の順に多く変化がみられた.
 白内障徹照像の形状解析が,その発症機序,原因的分類,薬効評価の解明に重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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