文献詳細
特集 第39回日本臨床眼科学会講演集 (5)
学会原著
徹照像からみた白内障の種々相—II.糖尿病者における白内障の形態的特徴について
著者: 藤原隆明1 矢田浩二1 山本晃1 小林修1 秋山理津子1 茅根重一1
所属機関: 1杏林大学眼科学教室
ページ範囲:P.607 - P.610
文献概要
全体的にみると,糖尿病者に小胞状,放射状陰影が,非糖尿病者に円板状陰影が多く,1%以下の危険率をもって有意差を認めた.各年代毎にみると,放射状陰影と輪状陰影が加齢とともに出現頻度が増加した.また各年代において,特に著しい高血糖状態の既往を有するものに小胞状陰影が多くみられた.糖尿病者32名と非糖尿病者42名の,7カ月から21カ月(平均約13カ月)におよぶ観察では,前者は後者の2.3倍の経時的変化率を示し,円板状,小胞状,放射状陰影の順に多く変化がみられた.
白内障徹照像の形状解析が,その発症機序,原因的分類,薬効評価の解明に重要である.
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