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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科40巻6号

1986年06月発行

文献概要

特集 第39回日本臨床眼科学会講演集 (5) 学会原著

鈍的眼外傷の統計的観察—その7.外傷性高眼圧について

著者: 吉本旬1 難波彰一2 池田誠宏3 森野智英子3 中川美和子3 松山道郎3

所属機関: 1済生会御所病院眼科 2大阪市立北市民病院眼科 3大阪市立大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.625 - P.628

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 最近10年間に経験した,鈍的眼外傷に続発する高眼圧症88例を対象とし,前房出血と水晶体脱臼の合併,受傷後早期のangle recessionの範囲,受傷時年齢に着目して,眼圧の予後予測の目的で統計的検討を行った.
 結果は(1)受傷後早期に減圧目的の手術を受けた症例に,有意に高率に水晶体脱臼が合併していた.(2)受傷後長期経過例の眼圧コントロールは,受傷後早期の前房出血・水晶体脱臼の有無,anglerecessionの範囲とは有意な関係はなかった.(3)受傷後長期経過例の眼圧コントロールは受傷時年齢が高いほど不良であった.
 したがって,受傷後早期には水晶体脱臼の合併の有無が,長期経過後には受傷時の年齢が,眼圧の予後予測に重要であると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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