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特集 第39回日本臨床眼科学会講演集 (5) 学会原著
上斜筋麻痺に対する上斜筋縫縮術に関する研究第 2報—頭部傾斜時における両眼の反対回旋の角速度に与える影響について
著者: 生田全1
所属機関: 1岡山大学眼科学教室
ページ範囲:P.629 - P.632
文献購入ページに移動 上斜筋麻痺に対する上斜筋縫縮術の効果を判定するため,16例の片側上斜筋麻痺(先天性6例,外傷性10例)に対し麻痺眼の上斜筋縫縮術を施行し,頭部傾斜時の両眼の動的反対回旋運動(DCR)の角速度に与える影響を解析した.DCRの測定は森の考案した電動頭部傾斜装置を使用した.
頭部健側傾斜時は健眼と麻痺眼のDCRの角速度には,術前,術後ともに有意差が認められなかった.
頭部患側傾斜時は術前,麻痺眼のDCRの角速度は健眼よりも有意に小さく,術後は健眼の角速度が減少し,健眼と麻痺眼の角速度の有意差は認められなくなった.DCRを頭部傾斜角度により3相に分けて検討したところ,ほとんどの症例で,術前は両眼の角速度は同じ相で最大になり,術後はその相で健眼の角速度が減少し,健眼と麻痺眼の角速度の差が減少した.術後,健眼の角速度が減少する理由として,術前に麻痺眼が回旋しにくいため健眼に代償的に過剰な角速度が生じ,これが術後は麻痺眼の回旋力が回復するため健眼の角速度が減少すると考えられた.
頭部健側傾斜時は健眼と麻痺眼のDCRの角速度には,術前,術後ともに有意差が認められなかった.
頭部患側傾斜時は術前,麻痺眼のDCRの角速度は健眼よりも有意に小さく,術後は健眼の角速度が減少し,健眼と麻痺眼の角速度の有意差は認められなくなった.DCRを頭部傾斜角度により3相に分けて検討したところ,ほとんどの症例で,術前は両眼の角速度は同じ相で最大になり,術後はその相で健眼の角速度が減少し,健眼と麻痺眼の角速度の差が減少した.術後,健眼の角速度が減少する理由として,術前に麻痺眼が回旋しにくいため健眼に代償的に過剰な角速度が生じ,これが術後は麻痺眼の回旋力が回復するため健眼の角速度が減少すると考えられた.
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