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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科40巻7号

1986年07月発行

文献概要

特集 第39回日本臨床眼科学会講演集 (6) 学会原著

緑内障薬物療法における点眼モニターの試作およびその応用

著者: 佐々木隆弥1 山林茂樹1 塚原重雄1 丹沢泉2 中島新一郎2

所属機関: 1山梨医科大学眼科 2山梨医科大学附属病院薬剤部

ページ範囲:P.731 - P.734

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 緑内障薬物療法を行っている患者のcompliance (服薬順守状態)を知るために,点眼モニター装置を開発した.本装置は約17分間隔で約48日間,患者の点眼状態(日時,回数)を記録する.出力したデータと実際のデータの相関は,相関係数0.9998で非常に精度の高い装置である.今回は,本装置を用いてピロカルピン点眼を行っている緑内障患者22名の点眼回数について,complianceを調査した.complianceは平均59%で,この値は欧米での38〜72%という報告と同程度であった.40歳以下の若年患者では41%,視野変化が湖崎分類でIa,Ibの初期の患者では49%,ピロカルピンのみを点眼している患者では40%であった.40歳以下の若年患者,視野変化が初期の患者,点眼薬数の少ない患者にcomplianceが悪い傾向があり,このような患者は病気に対する認識が薄いのではないかと思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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